朝・夜の瞑想と、昼の瞑想の違い
朝の瞑想は、1日のスイッチをオンにする儀式です。呼吸を整え、心を落ち着かせ、気持ちよくスタートを切るために行います。
夜の瞑想は、オフのスイッチを押す時間。疲れた心と体をリセットし、深い睡眠へ導くためのリラックスを追求します。
では、昼の瞑想は?
昼の瞑想は、もっと自由で、もっと楽しいものです。ルールもスタイルも決まっていません。立っていても座っていても、歩きながらでも、食べながらでもできる。意識を今に向けるだけで、それは立派なマインドフルネス瞑想になります。
昼の瞑想の楽しみ方
【例1:お昼休みにリラックス瞑想】
ランチを終えた後、スマホを見てダラダラ過ごすのではなく、椅子に座ったまま深呼吸をしてみる。
- 背筋を伸ばし、軽く目を閉じる
- 1:2呼吸(吸う1、吐く2)を意識
- タイマーを5分にセットして気にせずスタート
シーン例: 会社の休憩室。隣の席では誰かが電話をしている。でも自分だけは、静かに目を閉じ、呼吸のリズムに意識を向ける。周囲のざわめきすら、波のように感じる瞬間が訪れる。
【例2:移動時間のマインドフルネス】
駅まで歩く道すがら、ただ「歩く」だけに集中してみる。
- 足が地面を踏む感触を味わう
- 周囲の光、音、風を感じ取る
- 「今ここ」を意識しながら歩く
シーン例: 朝からバタバタして、ランチ後も慌ただしい。でも、駅までの5分だけは、スマホをしまって、歩くことに集中。葉っぱが揺れる音や、車の遠ざかる音。少しずつ心が静かになっていく。
【例3:午後の気持ちの切り替え瞑想】
午前中の失敗、トラブル対応で落ち込んでしまった…。そんなとき、意識的に気持ちを切り替える瞑想をしてみる。
- 静かな場所を見つけて座る
- 「今」の呼吸に意識を向ける
- 失敗を無理に忘れようとしない
- ただ、別のものに意識を向ける(風、空、草木の色)
シーン例: エレベーター前のベンチ。心が重い。でも、深呼吸を一つして、天井のライトをぼんやり眺める。そこから徐々に、壁の色、空調の音、自分の呼吸音へと意識を移していく。いつの間にか、心の重さが和らいでいくのを感じる。
昼の瞑想におすすめの場所リスト
場所について少し考えてみましょう。
新しい場所で瞑想するのは、新鮮な刺激と気づきをもたらしてくれます。例えば初めて行った公園やカフェでは、音や光、空気感が普段と違っているので、感覚が研ぎ澄まされる感覚を味わえるでしょう。
一方で、同じ場所での瞑想にも大きな意味があります。いつものベンチ、いつものオフィスの一角。何度も繰り返しそこで瞑想していると、「あれ?今日の空気は少し重たいな」「いつもより騒がしいかも」など、小さな違いに敏感になります。
この小さな気づきが、感性を磨く瞑想の醍醐味。目に見えない変化、わずかな違和感、温度や匂いの変化に気づけるようになると、それは日常生活でも人への気遣いや愛情に繋がっていきます。
【昼の瞑想におすすめの場所】
- 公園のベンチ
- 図書館の静かな席
- 駅ナカのカフェ
- オフィスの空き会議室
- 車通勤の人は駐車場の車内
新しい発見を求めるなら初めての場所へ、違いを感じる感性を育てたいなら同じ場所で。 目的に合わせて「どこで瞑想するか」を選ぶのも楽しいですよ。
昼の瞑想に向いている呼吸法紹介
昼の瞑想では、リラックスしすぎず、逆に眠気を引きずらない呼吸法が向いています。
【おすすめの呼吸法】
- 1:2呼吸(吸う1に対して吐く2)
- 3秒吸って6秒吐く「深い呼吸」
- 胸を開く呼吸(軽くストレッチしながら)
※やり方の詳細はこちらの呼吸法ガイドをご覧ください。
特に午後は、「だるさ」や「眠気」との戦いになります。ゆったり吐く呼吸を意識しつつも、時々背筋を伸ばすことで、リフレッシュ感を高めることができます。
季節と昼の瞑想の関係
春
- 若葉の香り、肌寒さを感じながら外で深呼吸
夏
- 強い陽射しを避け、木陰でリラックス
秋
- 落ち葉を踏みしめる音を味わいながら歩く
冬
- 厳しい寒さの中でも、自分の体温や吐く息の温かさを感じる
季節ごとの自然を五感で感じること自体が、最高の瞑想になります。
昼の瞑想の意義
- 午前中の疲れをリセットできる
- 午後に向けたリフレッシュ効果
- イライラや不安をリセットし、新しいスタートを切るきっかけになる
- 「今ここ」に戻ることで、無駄な消耗を防ぐ
瞑想は、特別な儀式でも、大きな目標達成のためのものでもありません。
「今の自分を取り戻す小さな習慣」
これだけで十分です。
できる日だけ、できる分だけ。
でも、ふと思い出したら、1回深呼吸してみよう。
昼の瞑想は「やるべきもの」ではなく、
「今日も自分をちょっと大切にできたな」
と感じられるための、素敵な瞬間。
どうぞ、肩の力を抜いて楽しんでください。