クオーターロータスとは?|初心者に最適なゆるいあぐらの瞑想姿勢
瞑想の世界で語られる「ロータス」とは、蓮華座(れんげざ)=あぐらのような姿勢を指します。
このロータスには複数のバリエーションがあり、その中でも「クオーターロータス」は最も実践しやすく、初心者に優しい姿勢です。
クオーターロータスは、片足をもう一方の足のふくらはぎの下か膝の横あたりに軽く乗せるスタイル。足を完全に組まないため、足首や股関節への負担が少なく、比較的自然なあぐらに近い形で安定した姿勢が保てます。
瞑想初心者に限らず、全ての方にお勧めできるバランスの良い瞑想の姿勢です。個人的には一番オススメの姿勢で、これから瞑想を始めるという方はクオーターロータスから始めて頂くのが一番負担が少ないかと思います。
歴史と背景|蓮華座の伝統から生まれた「現代の姿勢」
ロータス(蓮華座)は仏教やヨガの伝統で古くから用いられてきた瞑想姿勢です。
仏像やチベット仏教のタンカ(絵巻物)などでは、完全な**フルロータス(両足を交差させてももの上に乗せる)で座る姿がよく描かれています。
しかしこのフルロータスは柔軟性が必要で、股関節や膝に負担がかかりやすいという問題点があります。特に現代人は椅子文化で育っているため、無理にフルロータスをすると怪我につながる可能性も。
そこで現代の瞑想指導者やマインドフルネス実践者の中で登場したのが、このクオーターロータス(ゆるい蓮華座)。
伝統的な姿勢の精神性を受け継ぎながら、体にやさしい形にアレンジされたスタイルです。
優しい形にアレンジされた=効果が弱い
とイメージされる方がいますが、そんな事は一切ありません。フルロータスなどは姿勢がかなり固定されるので、長時間の瞑想に向いていますが、フルロータスでも長時間の瞑想ができないという訳ではありません。
どうしても安定性という面でフルロータスには劣りますので、上級者になるとスッキリしない、気持ち悪い、集中できないといった感想を持つ方もいますが、姿勢を維持するだけでもキツイ方は多いので、無理をして行っても返って瞑想に集中できないと思います。
クオーターロータスの具体的なやり方


以下のステップで簡単に実践できます。
STEP 1:床に座る or 瞑想クッションの上に座る
- お尻の下にクッションを敷くことで骨盤が立ちやすくなり、背筋が伸びやすくなります。
- 膝は自然に床につくように、股関節を緩めて座ります。
STEP 2:あぐらのように足を組む
- 両足を組むが、片足だけを反対側の足のふくらはぎか膝のあたりに軽く乗せる
- フルロータスのように「ももの上に完全に足を置く」必要はありません。
STEP 3:体の中心を安定させる
- 骨盤を立てて、お尻の坐骨(ざこつ)に均等に体重が乗っている感覚を意識。
- 背骨は地面から垂直に「スッ」と伸びるイメージで。壁やポールに軽く背中を触れさせるのも◎
STEP 4:手は自然に膝や太ももに置く
- 手のひらは上向きでも下向きでも構いません。
- 落ち着く位置でOK。
STEP 5:顎を引いて、視線は斜め下へ
- 目を閉じても開いてもOK。半眼で床をぼんやり見つめても良いです。
クオーターロータスのメリットと効果
クオーターロータスは、「精神の集中度」と「身体的な負担」のバランスが非常に良いポジション。
無理せず、でも本格的に瞑想を始めたい方に最適です。
1. 足首・膝・股関節への負担が少ない
正座やフルロータスと比べて、関節へのねじれや圧迫が圧倒的に少ないため、体の硬い人でも痛みを感じにくいのが特徴です。
2. 背筋が自然に伸びやすい
しっかり座ろうと力む必要がなく、あぐらの延長として取り入れられるため、呼吸や集中に意識を向けやすくなるという利点があります。
3. 姿勢の安定性もある程度キープできる
フルロータスほどの固定感はありませんが、両足が重なることで重心が安定しやすく、初心者でも姿勢を保ちやすくなります。
クオーターロータスが向いている場面と人
■ クオーターロータスはこんな人におすすめ
- フルロータスやハーフロータスへの準備段階として試したい方
- あぐらはできるけど、足を完全に組むのは難しい方
- 股関節や膝に不安があり、正座が苦手な方
- 椅子を使わず、床での瞑想を気軽に始めたい方
■ クオーターロータスが向いている場面
- 初心者のマインドフルネス瞑想
- 短時間〜中時間(5分〜30分)の瞑想
- お風呂上がりなど体がほぐれた状態
- 瞑想会やグループ瞑想など、人前で座るとき
- 足が冷えやすい方(片足を包む形になるため温かい)
クオーターロータスの姿勢での注意点
■ クオーターロータスの主な注意点です
- 長時間行うと足が痺れることも → 無理せず途中で組み直してOK
- 坐骨に体重が偏らないよう注意(クッションで調整)
- 足を乗せる位置は無理なく自然な高さで
- 痛みや違和感があればすぐに解く
上記記載はしていますが、記載内容の心配は殆どありません。
もしこの姿勢で難しい場合は、正座、椅子に座って、瞑想を考えても良いと思います。
この姿勢が難しいという事は、そもそも胡座の姿勢をとる事が難しいと思いますので、ロータス系の姿勢は行わない方がいいと思います。
どうしてもロータスでの姿勢を考える場合は、無理をしないという事は前提で、まずはストレッチを行い少しずつ体に柔軟性を持たせるのが良いと思いますが、過度な柔軟も体を痛めてしまう原因になりますのでリラックスを求めた瞑想の場合は、寝転がって行うというのも1つの方法です。
オススメ度 ★★★★★:無理なく本格的で「ちょうどいい」姿勢
クオーターロータスは、現代の私たちにとって最も実用的で、精神性も感じられる“ちょうどいい瞑想姿勢です。
フルロータスのような見た目の美しさ、正座のような安定感、椅子座りのようなラクさ…
それらすべての“いいとこ取り”をしたスタイルがクオーターロータスです。
「足が組めない」「あぐらがつらい」と感じていた方も、まずはこの形から始めてみてください。
きっと、瞑想がもっと身近で気持ちいい時間になりますよ。
補足:姿勢と呼吸を連動させるとさらに効果UP!
クオーターロータスで座ったら、呼吸にも意識を向けてみましょう。
- 吸うとき:空気が鼻から喉、肺、体中に広がるイメージ
- 吐くとき:いらない感情や疲れが体の外へ出ていくようなイメージ
姿勢を整え、意識を内側に向ける。
この“連動”こそが、瞑想の深まりの第一歩です。
クオーターロータスに関するよくある質問(FAQ)
Q. クオーターロータスとハーフロータスの違いは何ですか?
A.
ハーフロータスは片足の足首を反対の太ももの上に乗せますが、クオーターロータスは片足をふくらはぎの下や膝の外側に軽く乗せるだけの姿勢です。
そのため、クオーターロータスの方が身体への負担が少なく、初心者向けと言えます。
Q. クオーターロータスをしていると骨盤が後ろに倒れてしまいます。どうすればいい?
A.
骨盤が後傾してしまう原因は、座面の高さが合っていないか、体幹が弱い可能性があります。
対策としては、座布団やヨガブロックを使ってお尻を少し高くすることで、骨盤を立てやすくなります。
また、背もたれのない壁に軽く寄りかかるのもサポートになります。
Q. 長時間座っていると足がしびれます。これは問題ですか?
A.
軽いしびれは血流の一時的な圧迫によるもので、誰でも起こりえます。
ただし、感覚がなくなる・痛みが強いといった場合は、無理に座り続けず、一度ほどいて軽くストレッチを行いましょう。
慣れてくると少しずつ座れる時間も伸びてきます。
Q. 左右の足は毎回同じでいいの?
A.
同じ足を常に上にしていると、骨盤や背骨のバランスが偏る可能性があります。
理想は、日ごとに左右を入れ替えるか、体調に合わせて無理のない方を選ぶようにしましょう。
Q. クオーターロータスの姿勢で腰が痛くなるのはなぜ?
A.
腰の痛みは、骨盤の角度や体幹の支えが弱くなっているサインです。
お尻の下にクッションを敷く、背中を壁に近づける、背筋を無理に伸ばしすぎないなど、自分の姿勢を見直して調整してみましょう。
Q. クオーターロータスをやっていると股関節が硬く感じます。柔らかくなりますか?
A.
継続して座ることで股関節や内もも(内転筋)の柔軟性は徐々に向上します。
あわせて股関節まわりのストレッチ(開脚前屈・合せきのポーズなど)を日常に取り入れると、より効果的です。
Q. 正しい姿勢が取れているか自信がありません。チェック方法はありますか?
A.
・背筋がほどよく伸びているか(無理に反らせていないか)
・両膝が床に近く、安定しているか
・肩や首に余計な力が入っていないか
これらを鏡や動画でチェックすると自分の姿勢が客観的に確認できます。
不安な場合は、ヨガや瞑想の指導者に軽く見てもらうのも良い方法です。