結論:「寝てしまってもOK。ただし“目的”によって答えは変わります」
「瞑想中に寝てしまいました……失敗ですか?」
こんな質問をよく見かけますが、実は寝てしまうのは悪いことではありません。むしろ、それだけあなたの体と心がリラックスできている証拠です。
ただし、“瞑想の目的”によっては、少し見方を変える必要があります。
1. なぜ瞑想中に眠くなるのか?【科学的な理由】
瞑想をすると副交感神経が優位になります。これは、心と体を休ませるリラックス状態。そのため、眠気が出てくるのは自然な反応なのです。
脳波で見ても、瞑想中には**ベータ波(思考)→アルファ波(リラックス)→シータ波(深いリラックス)**へと変化していきます。
この「シータ波」は、眠りの入り口にあたる状態。つまり、深い瞑想と睡眠はすぐそばにある関係とも言えるんです。
▶ 補足データ
MITなどの研究では、瞑想中の脳波は「浅いノンレム睡眠」に非常に近いとされています。
つまり、寝落ちしかけるほどリラックスできているのはむしろ理想的とも言えます。
2. 寝ることは“失敗”なのか?
これは誤解されがちですが、寝る=失敗ではありません。
大切なのは、「あなたがその瞑想にどんな目的を持っていたか」。
たとえば──
- 集中力を高めたいと思っていたのに寝てしまったら、望んでいた効果とはズレます。
- 一方で、リラックスしたい・ストレスを解消したいなら、寝ることはむしろOK!
▶ 目的が変われば、結果の評価も変わる
- 睡眠は“心と体の回復”
- 瞑想は“意識を保ったまま整える技術”
どちらが正しい、ではなく、そのときの目的と向き合ってあげることが大切です。
3. 寝ないためには?眠くなりすぎない瞑想のコツ
「寝てしまうのは困る」という方へ。
そんなときは、以下のコツを試してみてください。
● 姿勢を変える(仰向け → 座位)
寝転ぶと眠くなりやすいので、背筋を伸ばした座位がおすすめ。
ヨガのように姿勢を維持したまま寝る事は意外と難しいものです。
● 朝・昼の時間帯に行う
夜の瞑想は副交感神経が優位になりすぎて眠気が出やすいので、スイッチONの朝や昼の方が目覚めたまま行いやすくなります。
● 3〜5分の短時間瞑想に切り替える
長時間やるとどうしても眠くなってしまう人は、短く・集中する瞑想が◎。
● ストレッチや深呼吸から始める
軽く身体を動かすと、眠気が和らぎ、集中しやすい状態で瞑想に入れます。
● 音声ガイド or BGMを活用
誘導瞑想やマインドフルネス音声ガイドを使うことで、“気づき”を保ちやすくなり、寝落ち防止にも役立ちます。
● 寝てしまうかもしれない事を受け入れてタイマーセット
瞑想で寝てしまっても、短時間の睡眠でも起きた時にスッキリします。寝てしまうのは睡眠による回復を体が求めているサインでもあるので、素直に眠ってしまう。それを前提として、タイマーをかけておくのも効果的な方法です。
4. 瞑想と睡眠の関係:どちらも大切な“整え方”
- 睡眠:無意識に入って体を修復する時間
- 瞑想:意識を保ったまま心と体を整える時間
この2つは対立するものではなく、補い合える大切な時間です。
目的によって“寝てもいい瞑想”と“寝ない方がいい瞑想”をうまく使い分けましょう。
5. 最後に|寝ちゃっても、気づけたらそれでO
「また寝ちゃった…ダメだったな」じゃなくて、
「あ、眠かったんだな。今の自分はそういう状態だった」と優しく受け止めてください。
気づいた時点で、もうそれは立派な“マインドフルネス”です。